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                                          J・Hair News Vol.18 / J・Hair’s EYE
〜 「ガイドライン」遵守が基本 〜
 

 縦割り行政を見直し、行政一元化へ向けた「消費者庁」の創設が急ピッチで検討されています。今秋の臨時国会に設置法が提出され、来年4月にも実現の予定ですが、移管される関連法の検討が重大課題となり、今後の予定は明確ではありません。消費者相談窓口の一元的整備など、各界からコンセンサスを得ている部分もありますが、各論では異論も噴出しいます。新しい被害救済制度の導入、規制措置の実効策、地方消費者行政との連携など大きな課題が山積みしているのが実情です。

  消費者行政が急速に動いていることは間違いありません。そこで業界への影響を考えてみました。

 
◎どこまで移管されるか関連法  三つの分野で調整へ

 今年2月、福田首相の指示で「消費者行政推進会議」が内閣官房に設置されました。この機関は「新しい組織」の創設を検討する事を目的にしています。閣議決定で、その組織は次の特徴を有することとなりました。

  「各省縦割りになっている消費者行政を統一的・一元的に推進するための強い権限を持つ新しい組織」

  単なる「権限を持つ組織」ではありません。「強い権限」を持つ組織と位置付けられたことが大きな特徴です。次いで、4月下旬にはこの組織の全体像が浮かび上がりました。やはり福田首相が示したもので、ここで初めて同首相は「消費者庁」を設置する意向のあることを明らかにしました。

  それによると「消費者庁」は六つの「基本方針」と三つの「守るべき原則」に沿って設置されます。注目されたのは消費者庁が管轄する範囲を定め、その機能・権限について、政策の「企画・立案・勧告」に加え、「法執行」を付与すると規定した点でした。

  その基本方針では、消費者庁の管轄範囲は、「取引」「安全」「表示」の三分野とされました。その上で「消費者の安全・安心に関わる問題を幅広く所管する」としています。契約 に関する消費者トラブル、製品や食品の安全性、誤認表示や誇大表示といった不当表示への対応、などを所管します。その範囲だけにとどまらず、他の消費者問題についても幅広く関与していくことが明らかになりました。

  「法執行」の関連では、「消費者行政全般に関する司令塔」として「強い権限」を持つことを前提にしています。消費者政策の企画・立案だけでなく、各省庁に勧告できる権限が付与されます。しかも、直接に違反事業者の処分など「法執行」も担うため、この通りに実現すると、極めて大きな「一元的機関」の発足となります。

  当業界にとっては消費者庁の発足は所管する政策範囲、規制の法律、地方消費者行政との連携した執行、などの特徴から見て、極めて関連深い機関となります。

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◎一元化で事業者対応が迅速化  求められる効果的な消費者対応

 例えば、「安全性」にはサービスの安全性も含まれるため、日々提供するサービスの質的内容が問われたり、事故防止策の整備が問題視されたりする可能性があります。当協会加盟社はこれまで十分な安全対策を講じてきましたが、一元的機関の特徴として「迅速対応」が謳われていますので、安全性確保へ向けたより効果的な措置が全ての業界に求められることになります。

  また、「取引」や「表示」に関しても、従来以上の、消費者保護に関する注意点が求められてきます。というのは、消費者庁の発足の検討とともに、個別法の改正も同時に進んでいるためです。景品表示法の新しい課徴金制度や消費者団体訴訟制度の導入、消費者契約法による取消し要件の拡大など、全ての業界に関連のある法律から、特定商取引法や割賦販売による新たな規制措置など、直接には関連がなくても間接的に影響を与える法律の改正が急速に進んでいます。地方自治体でも、同意を得た消費者宅だけに訪問勧誘できることを定めた「不招請勧誘の禁止規定」を盛り込んだ条例を検討している自治体もあります。個別的には、法律・条例ともに消費者保護を優先した内容へと改善される傾向にあります。

  消費者庁はそのような個別に進められている「消費者政策」を一元的に担う機関として設置されます。違反事業者の行政処分数が急増する中、消費者庁はいっそう監視機能を強化させる役割を持つ機関として発足が予定されています。

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◎30本を越える関連法の移管  検討はこれからが本番

 消費者庁の創設構想は実現へ向けて動き出しました。でも消費者行政の一元化に伴う課題は前述のように山積みしています。

  「強い権限」の前提である関連法の移管では現在30本の法律が検討対象にあがっています。日本には消費生活に関連した法律として、環境保護や公害阻止、自治体と国との規定法なども含めて幅広く数えると、現在150本ほどの「消費者関連法」が運用されています。

  その中から福田首相が提示した「安全」「取引」「表示」の分野を対象に絞り込んでいくと、その数は約40本ほどになります。さらに、移管の実現可能性や、実効性などを考慮して厳選すると、その数約30本です。自民党は今年3月に「消費者庁設置構想」を盛り込んだ報告書をまとめました。報告書は移管すべき法律例として10本をあげていました。前述した特定商取引法や景品表示法、消費者契約法なども含まれています。

  5月には日本弁護士連合会も2回目の「意見書」を発表し、その中で金融関連法やプロバイダ責任法、個人情報保護法、国民生活センター法など自民党の提示した10法を含む30本の法律を掲げ、「消費者庁に移管すべき」と提案しました。

  これら法律は現在、各省庁が管轄し、運用しているものです。福田首相は、法律や権限の移管にあたっては、

「行政の肥大化を招かないよう定員を振り替えることを原則にすること」

と指示していますが、関係省庁との折衝はこれからが本番となります。スムーズに移管されるか、あるいは妥協策として日本ではこれまでほとんど例のなかった「法律の共管」制度が採用されるのか、検討は予断を許しません。

◎自治体対応も大きく変化  監視活動が積極化へ

 消費者庁の設置は消費者相談窓口の一元化とあわせ、地方の自治体消費者行政にも大きな影響を与えます。次の検討が取り組まれているためです。

  第一に、消費生活センターの位置付けに法的根拠を与える措置です。各地の消費生活センターについては、定義や機能を定めた法律はありません。条例でも明記している自治体が少ないのが実態です。保健所のような関連法を制定し、消費生活センターの権限を明確にすべきという検討が進んでいます。このセンターと消費者庁との連携をより強化する措置が必要という検討が進んでいます。

  また、地域ブロックごとに消費者庁の出先機関を設置し、広域的な消費者被害に機動的・迅速に対応できる体制を整備すべきという検討も取り組まれています。消費者問題はいまや全国的な不変性を持っています。その対応体制として国の出先機関を設け、管轄ブロックごとに自治体と共同した消費者被害対策を推進すべき、という構想です。

  各自治体は今年3月から「特定商取引法執行ネット」など、事業者処分に関するネットワークを構築しました。消費者庁の設置はこのような監視・執行体制をいっそう強化する連携を目指すとされます。

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◎消費者保護と信頼確保  基本はガイドラインの遵守

 消費者庁の設置は当業界に限らず、全ての業界に関連した大きな出来事です。移管が取り沙汰されている最低30本の法律だけを見ても、そこに関連する業界・事業者の数は膨大です。しかも、関連法は移管だけではなく段階的な改正も予定されており、抜本的な体制整備が求められる可能性も出てきます。消費者行政の枠組みがドラスティックに転換されようとしている中、では、当業界には何が求められるでしょうか。

  厳格な自主基準、その徹底遵守とガイドラインの遂行です。消費者庁創設は、一昨年以降深刻化した消費者問題を重大な契機としています。「消費者の目線に立った消費者行政」の推進が掲げられていますが、「消費者の目線からの事業展開」は当業界でもずっと呼びかけてきたことです。実際、当協会加盟各社では日々、実践されてきました。その基本がガイドラインです。

  確信をもってガイドライン遵守にまい進しましょう。

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