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                                          J・Hair News Vol.19 / J・Hair’s EYE
〜 さらなる「ガイドライン」の運用定着を 〜
 

 行政一元化へ向けた「消費者庁」の設置・・・。
今秋の臨時国会には同庁「設置法案」と「消費者被害防止法案」、さらに所管する29法律に関する「改正法案」が続々と提出されます。法案以外にも課題は多く 、その一つに「何でも相談できる一元的窓口の設置」があります。縦割り相談体制を改善し、一元的に消費者相談苦情を収集・分析して適正な施策を展開する仕組みが検討されます。被害の防止・救済へ向け、速やかな対応を目指そうとした措置であり、各地消費者生活センターの充実・強化が前提となります。中央・地方の消費者行政が岐路を迎える中、事業者・業界団体にも迅速な対応が求められています。

 
◎どこまで可能か、一元的窓口  地方自治体も検討・整備へ

 6月に閣議決定された「消費者行政推進基本計画」は、来年度に消費者庁(仮称)を発足させることを明記しました。8月上旬の内閣改造では、自民党消費者問題調査会の野田聖子会長が消費者行政推進担当大臣に就任、8月11日に国民生活センターを視察したり、各消費者・市民団体との懇談を順次開催したり、精力的に消費者庁設置へ向けた準備・検討を進めています。

 これまでの説明では消費者庁のイメージとして「各省縦割りになっている消費者行政を統一的・一元的に推進するための強い権限を持つ新しい組織」とされてきました。身近な消費者関連法を所管し、企画・立案・法執行を担います。専門的な対応が求められる施策については、現行の所管省庁と「共管・連携」するシステムも導入されます。実情に即した制度改善が予定されています。

  それにあわせて現在の省庁組織も再編されることになります。業界対応部署の変更や、事業者窓口の整備が進められ、どの業界にとっても重要な変更となります。

  この「一元化」は中央だけの問題ではありません。消費者庁の設置はむしろ、地方の消費者行政にこそ大きな変化を迫るもので、先の「基本計画」には「霞ヶ関に立派な組織ができるだけでは何にもならない」とし、「消費者行政の強化・充実は地方自治そのものである」と説明しています。地方消費者行政が十分な体制を整備することこそ「かなめ」であると強調しています。中央から地方に至る行政機関再編の可能性も高まっています。

  実際、来年度以降の消費者庁体制をにらみ、どのように改善すか、各地の地方消費者行政機関の中には検討を開始するところも出てきました。
「一元的窓口の設置」についてはその方向性に賛同しつつも、実現性の面から様々な意見が錯綜しています。

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◎民間の「多元的窓口」と共存  業界は自主的対応推進へ

 「消費者相談窓口の一元化」について、今後の道しるべとなる先の「基本計画」は、次のように述べています。

  「何でも相談でき、高齢者を含め、誰もがアクセスしやすい一元的な消費者相談窓口となる全国ネットワークを構築する。その窓口では助言・あっせん・紛争解決まで一貫して対応する」

  「共通の電話番号を設けるとともに、消費者の生命・身体にかかわる緊急時案について全国ネットワークの代表窓口が365日24時間体制で対応する」

  「地方の消費者生活センターを法的に位置付ける。消費者庁、国民生活センターと連携しつつ、ともに一元的な消費者相談窓口として機能させる・・・」

  このように、消費者庁設置構想では窓口体制の一元化が提案され、寄せられた情報の共有化が進められます。民間では一企業・一業界団体ごとに消費者相談窓口体制を整備してきました。その「多元的対応」との共存が図られることになります。業界への影響は決して小さくありません。

  消費者庁構想のもとでは消費者からの相談事例は次のように集約・活用されます。

  まず、消費者は都道府県や市区町村の消費生活センターに相談を寄せます。このときは下4ケタで統一された電話番号か、あるいは特別の電話番号か今のところ未定ですが、相談用の共通電話番号が設定されます。

  市区町村のセンターは相談情報を整理・分析して都道府県センターに通報します。「中核センター」として位置付けられる都道府県センターは、自らが受け付けた相談情報と市区町村から通報された情報を集約・分析した上で国民生活センターや消費者庁に報告します。国民生活センターは、寄せられた情報と自らの直接相談情報を消費者庁に報告します。

  このように消費者庁には、各地センターからの情報が漏れなく一元的に集められることになります。同庁はその情報を分析し、対応すべき省庁に勧告したり、自ら法執行に乗り出したり、必要な場合には新規立法に取り組みます。

  生命・身体に関連した重大情報も「緊急連絡事項」として消費者庁が集約することになります。同庁は安全性確保へ向けた「警告」の発布や、被害防止のための対応体制を整備する措置をとります。

  この情報収集システムは、「安全」に関連した相談を含む全国の消費者相談を、消費者庁が統一的に集約することを意味します。当面は、消費者庁に収集される情報は、業界や企業に寄せられた情報と重複したり、しなかったり、千差万別でしょう。ただ、同庁は消費者相談事例を分析した結果として事業者に対する行政処分など、法執行に乗り出す場合もあることから、事業者には消費者庁設置とともに今以上の消費者対応の推進・厳密さが求められます。

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◎センター設置数や相談窓口数も増加へ

 「何でも相談できる一元的相談窓口」の整備は、各地センター数の増加や相談窓口体制の充実・強化を前提とします。

  現在、消費生活センターの設置数は全国で530カ所を越えました。このうち47都道府県には150近くのセンターがあり、17政令指定都市には24カ所設置されています。しかし約800の市区には350センター、1000以上の町村には16センターしかありません。消費者庁体制の推進はこのようなセンター数や相談窓口体制に大きな影響を与えます。

  自治体間からは国の支援のもと、消費者相談窓口をすべての市町村に設置すべきとの意見が提起されています。一方では、消費生活センターもすべての市町村に必要との意見もあります。予算的支援措置が課題となり、すべての市町村にセンターもしくは窓口を設置するか、いくつかの地域ごとに拠点センターとして設置するか、まだ明確ではありません。消費生活相談員の配置も「人口2万から3万人に一人の割合で」という意見や、「市町村ごとに配置を」という意見など、現在、検討の過程にあります。

  ただ、どのような体制になるにせよ、消費者庁の設置は消費生活センター数や相談窓口数の増加を後押しします。中央と地方との消費者行政の推進が目標であることから、被害の防止と救済策の導入が取り組まれます。確実に消費者問題に関するセンサー機能の強化が図られ、その点でも個々の事業者には消費者対応の迅速化が求められてきます。

◎厳しい状況にこそ消費者の信頼確保を
                消費者対応の充実は必須課題に

 消費者庁の大きな目玉になっている「何でも相談でき誰もがアクセスできる相談体制」は、事業者にも共通の課題です。消費者庁は縦割り行政の改善を一つの目的にしていますが、それは事業者にとっても行政の効率性を高める上で評価できる措置です。消費者庁設置は消費者はもとより、事業者にも大きな利点となることが示唆されるゆえんです。

  ただ、消費者行政の転換は事業者に対しこれまでの企業行動の見直しも求めてきます。法律の改正、対応部署の変更、中央と地方を貫く被害防止策の積極的導入は、自ずと消費者対応の社会的改善を促します。消費者相談窓口が行政レベルで充実・強化されようとしている中、事業者にあっては、それ以上の気概が要求されると考えるべきでしょう。

 消費者の信頼を得るための取り組みには限界はありません。その道標として当協会は「ガイドライン」を掲げています。このような自主基準の提示と遵守は、今のような行政転換の時期、ますます重要となっています。業界の健全化と消費者重視策の「指針」として、ガイドラインをさらに定着させていきましょう。

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