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                                          J・Hair News Vol.16 / J・Hair’s EYE
〜 コンプライアンス(ガイドライン)の重要性改めて浮きぼりに 〜
 

 消費者被害の防止へ向け、特定商取引法と割賦販売法の改正検討が大詰めを迎えました。11月下旬に大まかな改正項目が明らかになり、それらを踏まえ、来年1月の通常国会に改正案が提出されます。ただ、国の検討会で「最終報告」が出ても、実際にどのような修正が加えられるのか、今のところ推測の域を出ません。そこで、ここでは審議の過程でコンセンサスを得ている部分や、改正の方向性・そのポイントについてご紹介します。法改正は対象業界のみならず、広く社会に影響を与えます。当業界にも密接に関連してきます。

 
◎セットで検討、「販売」と「与信」

 二つの法律改正は、全国で「次々販売」や「過量販売」、さらに判断不十分な高齢者をも狙った高額被害が多発したことを踏まえ、消費者被害の防止を目的に取り組まれます。「二つの法律」とは特定商取引法(特商法)と割賦販売法(割販法)ですが、特に割販法については23年ぶりの大改正となり、クレジット会社にはこれまでの「加盟店管理」や「与信」のあり方を根本的に見直すことが求められるようになります。

 セットで検討されるのは、全国の消費生活センターに寄せられる相談事例の中でクレジット契約を利用した高額・深刻被害の占める割合が高水準で推移しているためです。それに加え、このような被害例のほとんどが、訪問販売や電話勧誘販売など、特定商取引法で規制された取引分野で発生しており、その中でも「個品割賦方式」の契約が多数を占めているためです。

  「個品割賦方式」とは、商品やサービスの購入契約の一つ一つごとに、クレジット契約を結ぶ方式を意味し、「契約書型」とも言われます。国民生活センターのまとめによると、この「個品割賦方式」を利用した際の被害例が他の「総合割賦」や「自社割賦」に比べ、圧倒的に多いことが指摘されています。

  昨年度の場合では、「販売信用」に関する被害約12万件のうち、「個品割賦」が約9万件と7割り以上を占めました。この傾向はここ数年来の特徴で、常に7割から8割が個品割賦方式による被害となっています。多くは訪問販売、電話勧誘などを含む「特定商取引関連」の分野であるため、被害防止へ向け、二つの法律がセットで改正されることとなりました。

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◎特商法−指定商品制度の見直し、団体訴訟制度・
                      過量販売取消ルールの導入

 特商法の改正では指定商品・指定役務制度の見直しが予定され、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売での指定制度がなくなります。現行は58種類の「商品」と21種類の「役務」が規制対象として指定されていますが、これらの指定を廃止し、”被害の後追い”を改めるとしています。

 指定制度の廃止は「原則適用方式」へと180度転換することを意味し、規制する商品・役務がぐんと広がることを意味します。その一方、すでに別の法律で規制がなされている商品・役務については特例処置として例外扱いにし、それらをリスト化(ネガティブリスト化)します。リストに入らないものがクーリング・オフ(8日間)の対象になりますので、どのような商品・役務をネガティブリスト化するのか、法案提出まで慎重な検討が続くことになります。

  また、訪問販売については勧誘に際しての「再勧誘の禁止」や「勧誘意思の確認義務」など、いわゆる「不招請な勧誘の禁止」に関する規定を整備するとともに、「過量販売の取消権」が導入されます。何をもって「過量」とするか、判断は難しいのですが、ひとまず「通常必要とされるものを越える部分」と定め、もっと明確にするための、ガイドラインが策定されます。

  特商法については被害の多いインターネット通販での返品特約表示の整備、消費者団体訴訟制度の適用なども盛り込まれました。

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◎割販法−加盟店管理の強化、過剰与信の防止義務の明記

 特商法の改正では当初、悪質な訪問販売事業者の参入を規制する措置として、「登録制度」が検討されました。しかし、事業者が膨大な数に上ることや、登録していることをもって、”お墨付き”を得ていると誇大宣伝するような制度悪用が考えられることから、実効性があがらない、との疑問が出されました。その結果、参入規制に替わるものとして業界自主基準による会員管理の強化や、割販法改正による加盟店管理義務を明記し、運用されることとなりました。個品割賦方式で販売する事業者への規制です。
そのため割販法では幅広い規制措置が採られることとなりました。大きくは次の点です。
 

 まず、個品割賦方式のクレジット会社は登録制となり、書面交付義務をはじめ、販売事業者に対する調査義務や適正与信義務が課せられることになります。また、個品割賦方式によるクレジット契約にクーリング・オフ制度が導入され、特商法と同様、指定商品・指定役務制度が廃止となります。さらに、特商法に基づき契約取消になった場合について個品割賦方式に関する「既払金」の返還ルールが定められることとなります。「割賦」の定義を拡大させ、個品割賦方式に限って、ボーナス1回払いが規制の対象に加わりました。

 まさに抜本的な改正となりますが、大きな特徴は、加盟店管理義務を法的に明確にして不適正な与信を阻止するとともに、過量販売による契約取消
ルールを整備し、過剰与信を防止する、など二つに絞られます。

 不適正与信の防止では、これまでクレジット会社による加盟店の販売契約実態の調査や審査が極めて不徹底だったことがあげられます。経済産業省の度重なる通知指導によっても改善が図られなかったため、今回法的に明記されることとなりました。現行では、販売事業者が提供する商品・役務に欠陥があったり、事業者側に問題があってトラブルとなったりした場には、消費者は以降のクレジット代金の支払を拒否することができます。しかし、すでに支払った「既払金」に関する返還規定は明記されていません。改正法はこの点を見直し、既払金返還ルールを新たに定めることとなります。

 具体的には、2年前の埼玉県富士見市でのリフォーム詐欺のように、販売店が不当勧誘行為を行ったことが明らかな場合には、消費者側に立証を負わせることなく 既払金を返還させる、そのような制度が導入されます。加盟店契約を結ぶ販売店がウソの説明(不実告知)をして消費者を勧誘したという場合などには、クレジット会社にも責任があるとして与信契約の取り消しを認めようとする制度です。

 ただ、この制度では契約した時点で販売業者の勧誘行為に問題がなかったのに事後に倒産したとか、提供された商品・役務に後になって欠陥が見つかって問題になったとか、「事後的な債務不履行」の例は対象に含まれません。その場合は与信契約の取消はできません。未払金の支払い請求はストップされますが、すでに支払ったクレジット代金までの返還は保証されていません。

 この「既払金返還ルール」が適正に運用されるために、クレジット会社には「個別的調査義務」が課せられます。過量販売や過剰与信防止の観点から、販売数量や過去の購入履歴、購入者の年齢・収入・家族構成などの事情を調査し、必要以上の商品・役務の提供を消費者が受けないようクレジット会社に調査を義務付けるものです。過剰与信になるかどうか、その判断の目安としてガイドライン(法の解釈通達)を策定することになります。

◎注意したい個品割賦方式、過剰与信防止へ向けた対応を

 このように、割販法の改正は、「個品割賦方式」と「特定商取引分野」での被害防止が最も大きな特徴となっています。ただ、個品割賦方式は特商法による規制事業者以外にも浸透しており、多重債務者が深刻化する中では、クレジット会社への社会的圧力となり、特商法分野の枠を超えた対応が求められてきます。それはクレジット会社だけに限りません。すべての事業者に注意が求められます。

 クレジットは高額な買い物を現金がなくても分割で契約する利便性の高いシステムです。しかし、その長所が消費者被害増加への短所ともなり、今回の法改正を迎えました。すでにクレジット会社の中には改正を見越して分野横断的に加盟店管理への対応・調査を強めているところもあります。

  販売者側の一番の核心は、勧誘・契約・役務遂行の全てにわたって、消費者の申し立てに誠意をもって対応していくことにあります。当協会のガイドラインを改めて重視し、事業活動の健全化をさらに推し進めていきましょう。

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